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インプラント治療は誰でもできる?40代での適応症や骨密度の影響とは?

Tooth implant installation process, Medically accurate 3D illustration

こんにちは、高知市高須のあさぎ歯科医院です。

今回は、インプラント治療で制限を受ける場合や、40代でインプラント治療をする場合の適応症や骨密度について解説していきます。

インプラント治療とは

歯周病や虫歯、外傷などの何らかの原因により、自分の歯を失ってしまった場合、その箇所を補うための治療が必要になります。ブリッジや入れ歯、インプラント治療などが治療方法としてあげられます。インプラント治療は歯がない箇所の顎骨にインプラント体といわれる人工歯根を埋め込み、その部分に人工歯と呼ばれる上部構造を取り付ける方法です。インプラント治療は全部の歯にも部分的な箇所にも適応することができます。

インプラント治療のメリット・デメリット

インプラント治療は根元から人工歯をきちんと固定できるため、違和感やぐらつきもなく、天然歯と同じような噛み心地を手にできます。また、ブリッジや入れ歯のように周囲の歯を支台にすることがないので、残っているほかの健康な歯を削ったり、装置を付けたりすることもなく、天然の歯には負担がほとんどありません。さらに自然な色味をしているので審美的な面でも優れており、メンテナンスさえおこなっていれば半永久的に使用することができます。

メリットが大きい分、保険適用外の治療になるため費用は高額になります。また、外科手術を要するため、身体的および精神的な負担は大きくなってしまいます。とはいえ手術中は局所麻酔やセデーション法が用いられるため、不安や痛みもほとんどありません。

40代のインプラント適応症

  1. 総入れ歯の人
  2. 部分入れ歯の人
  3. 一歯欠損の人
  4. 心理的に入れ歯が嫌いな人
  5. 入れ歯で発音や発声、見た目に不便を感じる人

上記に当てはまる人にはインプラント治療が向いており、固定式の歯を取り付けることができます。とはいえ、インプラント治療は希望すれば誰でもできるというわけではありません。

インプラント治療を受けられる条件

  1. インプラント体を埋め込むために必要とされる十分な骨が存在すること
  2. 糖尿病や循環器疾患、高血圧、白血病など、全身的な病気がないこと。
  3. 人工歯(上部構造)を装着するのに適した歯列であること
  4. お口の中に感染症がないこと

これらはインプラント治療の前に行われる検査で診断されます。治療前の診断によりインプラント治療は適さないと判断された場合は、治療を受けることはできません。

糖尿病をもっている方の場合、血糖値のコントロールが難しいケースでは、インプラント治療は適応できません。インプラント治療では手術を要しますが、糖尿病の人は傷口の回復が遅くなり血糖値の高さから感染症のリスクも増加してしまいます。また、歯並びの状態や噛み合わせによっては適応できないケースもあります。その時に治療を行えたとしてもその後のリスクが懸念されるため、ほかの治療方法を検討するのが懸命な判断と言えるでしょう。

40代は特に注意!? 歯周病が進行している場合もインプラント治療は受けられない!

インプラント治療は歯を失った顎骨に穴をあけ、そこに人工歯根(インプラント体)を埋め込み、人工歯を取り付ける方法です。つまりこの治療には一定の骨の厚みが必要不可欠になります。

しかし、重度の歯周病にかかってしまっている方の場合、骨のほとんどが溶かされている状態になっているため、人工歯根を埋めるだけの余裕がなくなってしまっています。インプラント体を埋め込めるだけの骨の厚みがない場合は、インプラント治療が適応不可となります。40代以降にインプラント治療を検討する方のなかには長年の歯周病により劣化してしまっているケースも多く、スムーズにインプラント治療を受けることは難しくなります。

骨密度の影響も。骨粗鬆症にも注意

骨粗鬆症は骨の質が低下することで骨がもろくなってしまい骨の密度が低くなる病気です。骨は細胞が破壊されて再生されてを繰り返すサイクルになっていますが、骨粗鬆症の場合、細胞が破壊される頻度の方が高くなり、徐々に骨の再生が追いつかなくなってしまいます。骨粗鬆症の人が歯周病で歯を失くした場合、短い期間で歯の周りの骨の破壊が進行し、骨が少なくなっている方が多くみられます。先ほども説明したようにインプラント治療は一定の骨の厚さが必要になるため、こういった場合には骨移植やGBR法、サイナスリフト、骨造成などの手術が必要になります。こういった対処が必要にならない場合でも、定着を待つ期間を延長させるなどの方法がとられます。

また、女性の場合は40代後半〜50代頃からホルモンの分泌が低下し、骨の再生が弱くなっていくといわれています。更年期にあたる女性の方は特に骨粗鬆症になる割合が高いので注意が必要です。

骨密度が低い人がインプラント治療を受ける場合どうなる?

骨密度が低い人がインプラント治療を受ける場合は、顎骨の骨量を増やす手術が必要になるケースが多いですが、そのほかにも必要なことはあります。

①インプラントの定着を待つ期間を長めにとる

骨の密度が減っている場合、通常よりも骨が定着するのを待つ期間を長くとることでインプラントの成功率が上がるといわれています。骨の量などに個人差はあるものの、通常はインプラントの定着を待つ期間で3〜6カ月程度必要になりますが、骨の密度が少なくなっている方の場合は、その2倍程度の期間を待つと安心です。

②インプラント周囲炎にならないためのケア

骨粗鬆症の人はインプラント周囲炎になると骨に与える影響が大きくなってしまい、進行させてしまうリスクが高いので要注意です。歯を支えている骨がもろい状態のため、インプラント周囲炎で炎症が起こってしまうと骨が通常よりも減りやすく、インプラントを支えるものが足りなくなってしまいます。

当然そうなるとインプラントはぐらついてきて最悪のケースだと抜け落ちてしまうなんてこともありえます。そういった事態を防ぐためにも日々のセルフケアのブラッシングで汚れをしっかり落とすことが大切です。

歯ぐきの境目や溝、歯と歯の間などは汚れを細かく落とすようにしましょう。歯ブラシだけでは細かいところを磨ききれないため、デンタルフロスや歯間ブラシを併用して落とすのがおすすめですよ。また、セルフケアだけではどうしても汚れを除去しきれないため、歯科医院の定期検診のクリーニングで汚れを除去してもらうことも重要です。定期健診を受けることで、クリーニングだけでなく、インプラントの状態もねじに緩みはないか、噛み合わせは強くなっていないかなど、不具合がないかも細かくチェックしてもらえます。長く使用するためにも、インプラントに不具合が起きる前にチェックしてもらうことが大切です。

まとめ

インプラント治療はメリットの大きな治療ではありますが、誰でも受けられるというわけではありません。通常の歯科治療よりも大きな治療になるので、制限を受ける可能性があることは念頭においておきましょう。まずは歯科医院で相談して診てもらい、状態を把握したうえでどんな治療が最適かを判断してもらうことが大切です。

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