こんにちは、高知市高須のあさぎ歯科医院です。
子どもの歯並びが悪くなってしまうと、見た目に悪影響があるだけでなく、機能性にもさまざまな問題が生じます。この記事では子どもの歯並びが悪くならないように親ができることをお話ししていきます。
子どもの今後の健やかな成長のためにもぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
■子どもの歯列が乱れる原因
子どもの歯並びが悪くなる原因は、もちろん遺伝や先天的な要因が関連していることも多いですが、悪い癖や習慣が継続されることによって不正咬合になるケースもあります。この記事では、そんな後天的要因に対して親がどう向き合えば良いのかを見ていきます。
■子どもの成長時期別に親ができること
子どもの歯列に乱れが生じないように親ができることは、子どもの年齢がどのくらいかによっても変わってきます。
①乳幼児期(0〜2歳)
生まれたばかりの頃から2歳頃まではできる限り母乳育児をするようにしましょう。母乳育児をすることで、舌の正しい位置を覚えたり、お口周りの筋肉の発達を促せるといった効果を期待できます。自然と鼻呼吸へ移行することができ、歯並びが乱れるリスクを予防できます。一方で哺乳瓶で育児をしていると、母乳よりも楽に飲むことができるため、こういった効果の獲得が少々劣ると言われています。口呼吸は一度癖になってしまうと改善するのが難しいため、小さい頃から鼻呼吸を身につけさせることは非常に重要な要素です。また、うつ伏せで寝てばかりいると骨格が歪んでしまう恐れがあるので、うつ伏せで頻繁に寝ることは防いであげましょう。
*離乳食に移行した後は…
子どもの成長が進み離乳食になったら、すべての歯をバランスよく使わせることを意識しましょう。前歯や奥歯を正しく使うことで顎の正しい発育やお口周りの筋肉を鍛えられます。
②幼児期(3〜5歳)
さらに成長が進み3〜5歳頃になると、子どもも椅子に座って食事ができるようになってきます。しかし、椅子に座った際に足がぶらぶらしているのは良くない状態です。この時期は子どもの姿勢に注意する必要があるため、足を置く場所がしっかりついているような子ども用の椅子を選んであげましょう。食事中は咀嚼回数もしっかり見てあげるようにしてください。噛む回数が少ないと筋肉や顎の発達が不十分になってしまうのでよく噛んで食べられるように工夫してあげましょう。柔らかいものばかりではなく歯ごたえのあるものを取り入れるのも大事です。この時期も乳幼児期に引き続き、口呼吸やうつ伏せで寝ていないか見てあげてください。
*指しゃぶりは4歳になるまでにはやめさせる
3歳頃までは指しゃぶりやおしゃぶりを使用していても問題ないので無理にやめさせようとする必要はありません。しかし、4歳になる頃までにはやめさせることが望ましいです。いつまでも指しゃぶりをしていたり、おしゃぶりを使っていると吸う力によって歯に力がかかってしまい、不正咬合の原因となります。この時期すでに受け口などの症状が見られる場合は、口腔習癖矯正などを用いて治療を行います。
③小学生期(6〜11歳)
子どもが小学生になる6〜11歳頃は乳歯と永久歯が混在する時期で、もっとも矯正治療に適していると言われています。何か問題があれば、床矯正などを用いた矯正治療をスタートさせてあげると良いでしょう。口呼吸や頬杖などの癖や悪習慣がないかを確認し、良くないことだと子どもにわかりやすいように説明してあげましょう。小学生くらいになるとそういったことも理解できる年齢になります。また、ゲームやテレビなど、何かに夢中になる時期なので集中しているときに姿勢が悪くならないように注意してみてあげたり、歯磨きをさぼっていないかを見ることも大切です。
*早食いにも注意
好きなことをしたかったり、やることが多かったりと好奇心も活発になり忙しくなるので食事中、早食いになってしまいがちな時期です。早食いは咀嚼回数を減らし、健康にも悪影響になるので注意して見てあげてください。
④青年期(12〜14歳)
乳歯から永久歯への生え替わり終わり、永久歯が発育する時期になります。とはいえ15歳頃までは成長期なので顎の成長は完了していません。一般的に小児矯正は15歳までに行う治療をさしますが、この時期までに行えばほとんどの場合、抜歯をしない治療が可能です。引き続き悪い癖や習慣に注意して見てあげましょう。
*矯正治療は成人矯正とあまり差がない
13歳以降に行う矯正治療は小児矯正の「2期治療」と呼ばれますが、ほとんど治療内容は成人矯正と変わらないものになります。ワイヤー・ブラケット矯正やマウスピース矯正などが用いられます。
どの時期でも、3〜6ヶ月に1回ほど定期健診を受けるようにしましょう。
【ポイント整理】
✔️姿勢が悪くならないように注意
✔️鼻呼吸ができるように促す
✔️悪い癖や習慣を見て改善してあげる
✔️咀嚼回数が少なくならないようにする
✔️歯科医院で定期健診を受ける
■子どもの歯並びが悪いとどうなる?影響やリスク
子どもの歯並びが悪い状態や問題がある状態を放置してしまうと、子ども自身の見た目にコンプレックスを抱えやすくなり、お手入れのしにくさから虫歯や歯周病などの歯科疾患のリスクも高くなってしまいます。さらに、お口の中の問題だけでなく、全身の骨格のバランスの乱れへと繋がります。肩こりや頭痛なども起こりやすくなるので子どもの健康を願うのであれば早めに改善してあげるのが良いでしょう。
■早めの治療がおすすめ。小児矯正と成人矯正は何が違う?
大人になってからでも矯正治療はできますが、小児矯正でしか得られないメリットがあります。小児矯正は成長期に行うため、それを活かして正しい顎骨の成長を促すことができます。矯正治療を行うことで骨格からアプローチできるのは小児矯正ならではのメリットです。矯正治療を行う際はなるべく早い時期、特に6歳〜11歳頃に行うのがおすすめです。
■まとめ
子どもの歯並びが悪くならないようにするためには、保護者の方が生活の中でしっかり観察して改善へ導くことが大切です。乳幼児期はまだ、悪い癖や習慣が続くことでどんな影響が出るのかを理解できないと思いますが、成長するにつれて少しずつ理解できるようになっていきます。
癖や習慣をやめさせてあげるときも、矯正治療をはじめるときも、子どもがストレスを感じないようにしっかり意味やゴールをわかりやすく説明してあげましょう。