予防歯科

予防歯科とは、虫歯や歯周病などにならないように予防することを言います。
歯科医院に来院される理由として、「痛みや腫れの症状が出て治療を受けるため」という方が圧倒的に多いです。
しかし、風邪をひかないようにマスクを着けたり予防接種を受けることと同様に、歯科医院は治すだけではなく虫歯を未然に防ぐ予防歯科もあるということをご承知おきください。

世界と比較した予防歯科の認知度

世界と比較した予防歯科の認知度海外と比較すると、日本での予防歯科の認知度は低いです。

日本では歯科医院への通院目的の1位は「虫歯の治療」に対し、アメリカや歯科先進国スウェーデンでは「スケーリング」、「歯のクリーニング」など、トラブルを予防するための受診が多い傾向があります。

直近11年間の歯科医院利用回数は日本が4~5回に対して、アメリカは2~3回、スウェーデンは2回程度と他の2カ国に比べて1.5~2倍以上多く通院しているとの調査結果も出ています。

これは通院理由の違いによるものです。
日本は治療目的で通院される方が多いので、どうしても回数がかかってしまいます。

日本は高い歯科技術がありながらも、80歳時点での平均残存歯数が約13本に対しスウェーデンは21.1本と約7本もの差があります。(厚生省 平成29年度歯科医疾患実態調査より)

スウェーデン国民の98%が予防歯科を受けているため、虫歯を未然に防ぎ、いつまでも健康な歯を保つことができるのです。

8020(ハチマルニイマル)運動とは

8020(ハチマルニイマル)運動とは8020(ハチマルニイマル)運動とは、1989年より厚生相と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。

通常、成人の歯は親知らずを除き28本ですが、20本以上ご自身の歯があれば食生活に影響もなく、しっかりと噛むことができると言われています。

「障害、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まりました。

健康な歯を保ち、充実した食生活を送り続けられるように「8020」を目指しましょう。

歯を失う原因

歯を失う原因歯を失う主な原因は3つあり、「虫歯」「歯周病」「噛み合わせによる歯の破折・破損」です。

これらの原因を起こさないために、普段から健康な歯や歯並びを維持していくことが大事です。

予防歯科で大切なことは「虫歯ができない」「歯周病を発症・進行させない」環境を作り予防することが目的と考えています。

お子様の検診

お子様の検診健康な歯を維持するためには虫歯を作らない口内環境を作ることが大切です。
その為には全ての歯が永久歯に生え変わる前の時期にしっかりと予防していきましょう。

小さいうちはまず、「歯科医院に慣れる」ことを目的に来院してください。
そこから少しずつ慣れてもらいクリーニングや予防処置、場合によっては治療を行っていきます。

定期的に通って頂ければ大人の方同様、虫歯の早期発見などに繋がります。
また、当院では健康状態を知る為の優れた情報源でもある「唾液」の検査も行っております。

唾液検査では虫歯になるリスクなどについて調べることができ、結果に応じてお子様に合った予防プログラムを作っていきます。

予防歯科のメリット

1. 虫歯や歯周病を早期発見、未然に防ぐことができる
虫歯は初期の場合、痛みが無くご自身でも気づきにくいことが多いです。
痛みが出た虫歯は進行していることが多く、治療してもその後の歯の持ちは悪くなります。
歯周病にいたっては痛みを感じることなく進行し、気が付いたら歯を抜かざるを得ないことも珍しくありません。
予防歯科に定期的に通うことで、初期での虫歯を発見でき、治療の際に削る量も最小限で済むのです。
2. 健康な歯を長く維持し続けられる
歯は一度失うと二度と元に戻りません。
虫歯治療で歯を削ったり、神経を抜くことは歯の寿命を縮めます。
いかに健康な状態を長く維持するかが重要です。
3. 見た目の美しさ
予防歯科では歯の表面に付着した飲食物の着色汚れを落とし、歯を明るくつややかにすることが可能です。
歯を綺麗に保つことは相手への印象も大変よくなります。
4. 健康寿命が延びる
高齢社会となった日本。平均寿命は男女とも80歳を超えています。
今後は自分で最低限の生活ができるように「健康寿命」を延ばすことが大切です。
歯の残存数が多い人ほど寿命が長くなるというデータもあります。

予防歯科の治療内容

1. PMTC
PMTCとは専門的な機器や技術を用いて歯の汚れを除去することです。
毎日の歯磨きだけでは落としきれない歯垢や歯石を歯科医師や衛生士が丁寧に取り除きます。
2. フッ素塗布
フッ素塗布も予防歯科の一つです。フッ素には歯の再石灰化を促す効果と歯質を強くる効果があります。
私達の口内では、歯を溶かす「脱灰」と、修復を行う「再石灰化」が繰り返されています。
その脱灰によって溶け出したカルシウムやリン酸が再び歯に取り込まれ、歯が元に戻ることを「再石灰化」といいます。
3. ブラッシング指導
予防歯科の一環で正しいブラッシング指導も行います。
歯科医院で行われるメンテナンスも大切ですが日々のセルフケアも非常に大切です。
また歯の生え方によってもブラッシングの仕方が異なりますので、患者様一人一人に適したブラッシング指導を行います。

~最後に~

予防歯科虫歯になってから治療するのではなく、虫歯を未然に予防することは大変重要です。
いつまでも健康な歯を保つためにも定期的な受診をおすすめいたします。

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