こんにちは、高知市高須のあさぎ歯科医院です。
今回は、歯を失った場合の治療方法についてご紹介します。
前回までのブログでお話ししたように、歯を失う原因は様々なものがありますが、加齢とともに多くの人が直面する可能性のある問題でもあります。では、歯を失ってしまったときにはどのような治療方法があるのでしょうか。
歯を失った場合の治療方法は3つ
歯を失った場合の治療方法は、インプラント、ブリッジ、入れ歯の3つあります。それぞれの方法にメリットとデメリットがあるため、それらを理解してよく検討することが後悔のない治療をするためにも大切です。3つの治療方法の特徴とメリット、デメリットについて以下にご紹介します。
自分の歯のようにしっかり噛めるインプラント
インプラントとは、チタン製の人工歯根(インプラント体)を顎の骨に直接埋め込み、その上から人工歯を被せる治療方法です。インプラントと顎の骨がしっかり結合しているため安定性に優れ、自分の歯のようにしっかり噛むことができます。また、見た目においても自分の歯と同じように自然な白さにすることができます。
【メリット】
- ・もとの歯と同様にインプラントそのものが顎の骨に固定されているため、自分の歯と同じような感覚で違和感なく噛める
- ・被せる人工歯はセラミックなどでつくられるため、もとの自分の歯に近い透明感のある自然な白さを再現できる
- ・歯を失った箇所のみに処置を行うため、他の健康な歯を守ることができる
- ・もとの歯の構造と同じため、食べ物の温度や味にも影響がなく美味しく食事を楽しむことができる
- ・チタンは様々な医療器具にも使用されており、生体親和性や耐久性に優れている
- ・毎日のセルフケアとメンテナンスを行うことで10年~15年もしくはそれ以上使用することができる
【デメリット】
- ・自費診療となるため、治療費が高額になる
- ・日帰りではあるものの2回の手術を必要とするため、体力面での負担がある
- ・インプラントと骨が結合するまでに3ヶ月~半年がかかる
- ・インプラントを支える顎の骨が少ない場合には、骨を補う治療や再生させる治療が追加で必要になることがある
- ・全身疾患の状態によっては、治療ができないケースもある
保険適用かつ短期間で治療が完了するブリッジ
ブリッジとは、隣り合う歯を支えにして繋がった人工歯を被せる治療方法です。被せ物の材料次第では保険の範囲内での治療も可能で、手術などを要しないので短期間で治療を完了することができます。失った歯の本数が1~2本であれば治療が可能で、入れ歯のように取り外すことはできません。
【メリット】
- ・保険適用が可能で短期間で治療が完了できる
- ・被せ物を支えとなる歯に固定するためある程度の安定感はあり、自分の歯の6割程度の力で噛むことができる
- ・装着時の違和感が比較的少ない
【デメリット】
- ・繋がった被せ物を装着するために、隣り合う健康な歯を削らなければならない
- ・支えとなる歯に歯周病やむし歯などの問題がある場合は、先にそちらの治療が必要になる
- ・支えとなる歯に負担がかかるため、歯の寿命を縮めるおそれがある
- ・ダミーの歯の下の清掃がやや難しく、むし歯や歯周病になりやすい
- ・金属で作製された場合、見た目の美しさに劣る
失った歯が何本であっても治療可能な入れ歯
入れ歯とは、歯を失った箇所に入れる取り外しのできる人工歯です。一本から数本の歯を補う「部分入れ歯」と、上下いずれかの顎の全ての歯を補う「総入れ歯」があります。作製に使用する材料やデザインによっては自費診療になりますが、保険の範囲内でも作製が可能です。
【メリット】
- ・保険適用が可能なものであれば安価に作製することもでき、比較的短期間で治療が完了できる
- ・失った歯の本数が何本であっても治療ができる
- ・残っている他の歯を削る必要がない
- ・取り外しができるため清潔に保つことができる
- ・自費診療では審美性・強度の高い入れ歯を作ることができる
【デメリット】
- ・噛む力は部分入れ歯で自分の歯の3~4割、総入れ歯で自分の歯の1~2割とやや劣る
- ・装着時の違和感や異物感があり、慣れるまでに時間がかかる
- ・部分入れ歯の場合は歯がない箇所の両隣の歯にバネをかけて入れ歯を支えるため、バネをかける歯に負担がかかる
- ・バネをかける歯やバネに汚れがたまりやすく、むし歯や歯周病になりやすい
- ・バネをかける歯に場所によっては、バネが目立ちやすく見た目に影響がある
- ・総入れ歯の場合、入れ歯がお口の中の粘膜を覆うため食べ物の熱や味が伝わりにくい
まとめ
今回は、歯を失った場合の3つの治療方法についてお話ししました。インプラント、ブリッジ、入れ歯の治療方法にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、どの治療方法が適しているかは患者様のご要望やお口の中の状態によって異なります。患者様お一人おひとりに最適な治療方法をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。