ブログ

正しい噛み合わせってどんな状態?噛み合わせに問題がある場合の治療方法

こんにちは、高知市高須のあさぎ歯科医院です。

歯並びが悪く、噛み合わせに問題がある状態を一般的に「不正咬合」といいますが、みなさんは正しい噛み合わせの基準をご存じでしょうか?この記事では、正しい噛み合わせの基準と、噛み合わせに問題がある場合の治療方法についてお話しします。

噛み合わせのセルフチェック

まずは割り箸を使用してできる、簡単なセルフチェックをまずは実践してみましょう!用意するのは割り箸一膳と鏡のみです。

【歯の安定性のセルフチェック】

左右奥歯の手前寄りに割り箸を噛み、手で割り箸に触れます。この際どちらかにぐらつきがある場合は歯の安定性がなく、並びが悪いと判断できます。

【前歯のセルフチェック】

・割り箸の中央に何らかの印をつけて口の中心に合わせて印を割り箸を噛みます。印の位置を見た時に上下の前歯の位置が違う場合、左右のズレがあると判断できます。

【歯の水平度セルフチェック】

・鏡の前で割り箸の中心を噛み、割り箸に傾きがあるかどうかを見ます。割り箸が水平な状態ではない場合、噛み合わせに問題がある可能性が高いです。

正しい噛み合わせとは?

専門的な目線で見た正しい噛み合わせにはいくつかの基準があります。セルフチェックと合わせて下記も確認してみましょう。

①噛み合わせた時に前歯上下の隙間が5mm以下になる
→5mm以上の隙間がある場合は、出っ歯や上顎前突である可能性が高くなります。

②お口を閉じた時に下の前歯が上の前歯よりも内側になる
→この状態で奥歯が噛み合っている状態が正しい噛み合わせです。

③歯並びの上下どちらもUの字を描く綺麗なアーチになっている
→上下どちらもというのがポイントです。

④上の前歯2本が一番大きく、下の前歯2本が一番小さい
→上下の前歯に大きさの違いがあるのが正しい状態です。

⑤お口を閉じるのが難しくない
→正しい噛み合わせであれば、簡単に口を閉じることができます。上顎前突や叢生、下顎前突などの場合、口が閉じにくくなります。

⑥上と下どちらの前歯も真ん中にそろっている
→真ん中からズレていると不正咬合に当てはまる可能性が高くなります。

⑦上と下の奥歯がしっかり噛み合っている
→正しい歯並びであれば、上下の奥歯も正しく噛み合います。

噛み合わせが正しくない「不正咬合」の種類

上記の基準やセルフチェックで確認したあとは、どの不正咬合に当てはまるかを知ることも大切です。人の歯列の状態には個人差があるので、歯並びが悪いといっても特徴はさまざまあります。

叢生(そうせい)

歯がバラバラに生えていたり重なっている状態の歯並びで、八重歯なども叢生に含まれます。

開咬(かいこう)

奥歯が噛み合っているのに前歯があいてしまう状態の歯並びです。

過蓋咬合(かがいこうごう)

上の前歯が下の前歯を覆い尽くしてしまうほど、噛み合わせが深い状態をさします。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上顎全体あるいは上顎の前歯が前方に突き出している状態で、別名「出っ歯」と言われます。

下顎前突(かがくぜんとつ)

下顎全体あるいは下顎の前歯が前方に突き出している状態で別名「受け口」や「反対咬合」と呼ばれます。

空隙歯列(くうげきしれつ)

別名「すきっ歯」と呼ばれる歯並びで、歯と歯の間に一定以上の隙間ができている状態です。

不正咬合を治すための治療方法

歯並びが悪くなる原因は、遺伝的な要因だけではなく、癖や習慣などの後天的な要因も関係しています。原因と考えられる癖や習慣を見直し改善していくことはもちろん重要なことですが、一度不正咬合になってしまうと、癖や習慣を治しただけでは根底から解決したことにはなりません。不正咬合を正しい噛み合わせにするには、矯正治療による専門的な介入が必要です。

不正咬合の治療方法を子どもの場合と、成人している場合にわけて見てみましょう。

【子どもの場合】

子どもの噛み合わせや歯列に問題がある場合は、原因となっている可能性のある癖や習慣を改善するように促しつつ、小児矯正を行います。小児矯正では歯並びを直接的に整えるというよりも、顎骨のスペースを広げ、歯が正しく生えてくるようアプローチする治療を行います。

【成人している場合】

成人している場合、成長期が終わっているので顎骨の成長も終わっています。小児矯正のように顎骨にアプローチする治療はできないため、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を用いて歯を移動させる成人矯正を行います。不正咬合の状態が進行しているケースや特定の症例においては、稀に外科的手術を伴うことがあります。

歯列矯正治療の種類

歯列矯正治療には、大きく分けて主に2つの種類があります。

  • ワイヤー・ブラケット矯正
  • マウスピース矯正

それぞれの特徴やメリット、デメリットを見ていきましょう。

【ワイヤー・ブラケット矯正】

歯列矯正というと多くの人がイメージするような、従来からある治療方法です。部分矯正や表側矯正、裏側矯正など、細かく分類されます。歯の表面にブラケットを装着してそこにワイヤーを通して固定し、歯に力をかけて移動させていきます。抜歯を伴う矯正や、大きな歯の移動を伴う症例にも対応でき、適応症例の幅が広いのが特徴です。マウスピース矯正と比較すると短期間で治療が終わる可能性もありますが、治療期間には個人差があります。また、歯に強い力をかけて動かすため、締め付けられるような痛みを伴うことがあります。歯に固定されているので装着時間の自己管理や装着装置の管理は必要ありませんが、食事制限があるほか、お手入れに気をつけないと虫歯になりやすくなります。目立たないワイヤーやブラケットも出ていますが、基本的には金具を使用して行うため、矯正装置が目立ってしまうというデメリットがあります。

【マウスピース矯正】

ワイヤー・ブラケット矯正と比較すると新しい矯正治療方法ですが、近年人気を集めています。患者様の歯型を元に作製したマウスピースを歯に取り付けることで、歯をゆっくり正しい位置に動かしていきます。1日20〜22時間の装着時間が必要で、1〜2週間おきに新しい段階のマウスピースへと交換していきます。装着するマウスピースは現在の歯並びよりも正しい歯列へと進んだものになるので、歯並びとマウスピースの間にギャップが生まれます。そのギャップによって力が加わり、歯が動く仕組みです。マウスピースはほとんど透明なので装着していても周囲から気づかれにくく審美性に優れています。また、締め付けられるような痛みもないのでストレスなく治療することができます。しかし、ワイヤー・ブラケット矯正と比較すると適応症例の幅が狭く、治療制限を受けるケースもあります。また、ワイヤー矯正よりも自己管理が必要になります。

まとめ

噛み合わせを正しくするには、歯列矯正治療を行うのが最善の方法です。自分にどんな矯正方法が適しているのかは、カウンセリングを受けることで歯科医師から教えてもらえます。気になる方はまずは歯科医院でカウンセリングを受けてみましょう。

電話する