こんにちは、高知市高須のあさぎ歯科医院です。
今回は、インプラント治療の概要やインプラント治療をはじめる前に知っておきたい医療費控除について解説していきます。
インプラント治療とは
何らかの原因により、天然歯を失ってしまった場合、そこを補うための治療が必要になります。治療方法として保険適用の治療であればブリッジや入れ歯などがあげられます。最近では自費治療のインプラント治療は近年注目を集めている方法です。
インプラント治療は、歯を失った箇所の顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込み、その上に人工歯(上部構造)を取り付ける治療方法です。インプラント治療は入れ歯やブリッジとは異なり、根元からしっかり固定できるため、違和感やぐらつきもなく、天然歯と同じような噛み心地が実現できます。入れ歯やブリッジのように周りの歯を支台にすることもないのでほかの健康な歯を削る必要もなく装置を付けることもないので、残っている歯には負担がほとんどありません。
それだけではなく、インプラントは自然な色味をしているので審美的にもかなり優れており、丈夫にできているのできちんとメンテナンスをおこなっていれば半永久的に使用可能です。
インプラント治療の流れ
①カウンセリング・検査
インプラント治療前に行われるカウンセリングでは、治療の目的やメリットの説明が行われ、患者様のお悩みや不安、希望のヒアリングも行われます。カウンセリングの段階で治療に対する不安を解消しておくようにしましょう。カウンセリング後は、顎の骨の量やお口の中の状態がインプラント治療をするにあたって問題はないか判断するために検査が行われます。
②治療計画の立案
診断結果や検査結果に基づき、患者様に適した治療計画の立案が行われます。歯周病がある場合はそちらの治療が優先されることがほとんどです。またインプラント体を埋め込むにあたって顎骨の量が足りないと判断される場合は、骨の量を増やす処置をしてからインプラント埋入手術が行われます。
③インプラント体(人工歯根)の埋込手術・結合期間
いよいよ歯茎を切開して顎の骨を削り、インプラント体(人工歯根)を埋め込みます。術中は局所麻酔が使用されるため痛みはほとんどありません。埋め込んだ後は、人工歯根と顎骨が結合するまでに平均3〜6ヶ月ほどの期間を置く必要があります。人工歯根と顎骨が完全に結合した後、型取りをして被せ物をつけるための準備が行われます。上部構造(人工歯)が完成したらセットして噛み合わせを調節すれば完了です。
④定期検診・メンテナンス
インプラントを長期間使用するためには、定期検診とメンテナンスは欠かせません。ゆるみや噛み合わせに問題がないかなど、自分では確認できないところをプロにしっかり診てもらえます。毎日のセルフケアでは落としきれない汚れもクリーニングで綺麗にできるので、インプラントを清潔に保つことが可能です。
インプラント治療の費用相場は?
インプラント治療では、保険が適用されず、自費治療になります。実はインプラントの治療費に定価はなく、歯科医院で設定されます。ですので、費用の相場は大体の目安になります。
インプラントの大体の相場は、インプラント1本で総額約15万〜45万円ほどです。施術する箇所や人工歯の種類でも費用は変わるので、歯科医院に直接聞いたり、公式サイトを確認すると良いでしょう。特に奥歯は治療の費用が高くなる傾向があります。
こうしてインプラントの費用だけを見ると「高い」「負担が大きい」と感じるかもしれませんが、インプラントの機能面やすぐれた審美性を考慮すると妥当といえます。とはいえ金銭的な負担が大きいとやはり躊躇してしまいますよね。
そんなときは、医療費控除を上手に活用しましょう。
インプラント治療は医療費控除を使える!
ホワイトニングや美容整形などのように審美的な目的なものは医療費控除の適用外となりますが、インプラント治療はこういったものとは異なる医療行為にあたります。そのため、インプラント治療では基本的に医療費控除を使うことが可能です。
下記の条件を満たすことでインプラント治療で医療費控除申請が可能です。
医療費控除の仕組み
医療費控除は、患者様あるいは患者様と生計を共にする家族が1年間に支払った医療費が総額10万円を越える際に適用される仕組みです。納税先の税務署で確定申告を行い医療費控除が適用されると、1年間のうちに支払った税金が還付もしくは減税されます。ですので、上手に活用することで、金銭的な負担を軽減できます。例えば年間の所得が200万円未満のケースだと、所得金額×5%が基準額です。この超過分に対して控除が適用される仕組みになっています。さらに、医療費控除はインプラント治療だけが対象ではなく、ほかの医療機関で支払った医療費も合算できます。生計を共にする家族がいる場合、家族全員の医療費を合算した合計金額を医療控除で申請できますよ。医療費控除のために確定申告を行うときには、歯科医院から出される領収書が必ず必要になるので、捨てずに保管しておきましょう。
医療費控除の適用例
所得額が300万円の方の場合
納めた一部の税金が50万円:還付金8万円
納めた一部の税金が30万円:還付金4万円
医療費控除を受けるために準備するもの
医療費控除の手続きや準備するものは、給与所得者と、そうでない人とで少し異なるので注意しましょう。
- ・源泉徴収票(※給与所得者)
- ・確定申告書(還付申告書)
- ・還付金振込口座用の通帳と印鑑
- ・治療にかかった医療費を証明できる領収書
※通院のための公共交通機関利用料金も含む
医療費控除の手続き
給与所得者の場合
源泉徴収票の原本・還付申告書・領収書を納税先の税務署に提出
給給与得者ではない場合
確定申告書(所得税)の該当箇所にある医療費控除に関する記入欄に必要事項を記入し、納税先の税務署に提出
給与所得者の方もそうでない方も医療費を証明するための領収書等は必要です。捨てずに大事にとっておきましょう。通院のための交通費も含められるのでそちらも捨てずに保管しておきましょう。自家用車のガソリン代などは対象外です。
まとめ
インプラント治療は、費用が高額ですが、医療費控除を上手に活用することで、負担を軽減できます。インプラント治療を検討している人は、ぜひ医療費控除を活用してみてくださいね。