こんにちは、高知市高須のあさぎ歯科医院です。
「最近、硬いものが噛みにくくなった」
「口元のハリがなくなった気がする」
そんなふうに感じている方はいませんか?
実はこれらのサインは、咀嚼力(そしゃくりょく=噛む力)の低下に関係していることがあります。咀嚼力は「食べる」ために欠かせないだけでなく、表情や口元の若々しさ、さらには全身の健康にも深くつながっています。
今回は40代から意識したい咀嚼力の重要性についてご紹介します。
咀嚼力が衰えるとどうなる?
咀嚼力は年齢とともに少しずつ低下していきます。その背景には以下のような要因があります。
・歯のすり減りや欠損
・歯周病による歯ぐきの衰え
・噛み合わせの変化
・あごや口周りの筋力低下
では、噛む力が弱まるとどんな影響があるのでしょうか?
1. 食事の満足度が下がる
しっかり噛めないと食材の旨みを十分に感じられず、満足感が減ります。噛む回数が減ると満腹中枢も刺激されにくく、食べ過ぎや消化不良につながることもあります。
2. 栄養が偏りやすくなる
「硬い食材が苦手だから」と避けてしまうと、野菜や食物繊維、タンパク質の摂取が不足しがちです。栄養の偏りは肌の調子や免疫力の低下にも直結します。
3. 口元やフェイスラインが崩れる
噛む力が衰えると、あごや頬の筋肉が十分に使われず、口元やフェイスラインのたるみにつながります。結果として実年齢より老けた印象を与えることもあります。
4. 全身の健康に影響
噛めないことで消化器官に負担がかかるだけでなく、研究では「咀嚼力の低下」が認知症や生活習慣病のリスクを高めることも指摘されています。
つまり「よく噛めること」は、見た目・健康・生活の質すべてに直結するのです。
■ 咀嚼力を保つために大切なこと
では、咀嚼力を守るには何を意識すればよいのでしょうか?
1.歯の健康を守る
まずは歯を失わないことが大前提です。虫歯や歯周病を早期に発見・治療し、しっかり噛める歯を維持することが大切です。
2.咀嚼筋を鍛える
噛むのは「歯」だけでなく「筋肉」の働きが欠かせません。あごの筋肉や舌、頬の筋肉を意識的に使うことで咀嚼力は衰えにくくなります。
3.食習慣を工夫する
やわらかい食事ばかりだと噛む回数が減り、筋肉はどんどん衰えてしまいます。日常の食事に「噛みごたえのある食材」を取り入れることがポイントです。
今日からできる!咀嚼力トレーニング
ここからは、ご自宅で手軽にできるトレーニング方法をご紹介します。
1. よく噛む習慣を意識する
一口で20〜30回を目安に噛むようにしましょう。最初は難しいかもしれませんが、「噛む回数を数える」ことから始めると習慣化しやすいです。
2. 硬さのある食材を取り入れる
・ごぼう、れんこん、にんじんなどの根菜
・りんごや梨などのシャキシャキした果物
3. ガムトレーニング
キシリトールガムなどを利用して、左右均等に噛む練習をするのも効果的です。あごの筋肉が鍛えられるだけでなく、唾液の分泌も促され、口内環境が整います。
4. あごのストレッチ
口を「大きく開けてゆっくり閉じる」を繰り返す簡単なストレッチは、顎関節や筋肉の柔軟性を保ちます。
5. 舌のトレーニング
舌の筋肉を鍛えることは、噛む力や飲み込み、そして発音の明瞭さを保つために欠かせません。
例えば、舌を左右に大きく動かす運動や、舌先で上下の前歯の裏をゆっくりなぞる運動がおすすめです。
こうした簡単な動きを繰り返すことで舌の柔軟性が高まり、咀嚼や発音がスムーズになります。毎日の習慣に取り入れることで、口元の自然な動きや若々しさの維持にもつながります。
咀嚼力を高める食事の工夫
噛む力を維持するには、食習慣も重要なポイントです。
・食材の大きさを少し大きめに切る
細かく刻んでしまうと噛む回数が減るため、あえて大きめに切って噛む習慣を意識しましょう。
・よく噛む献立を取り入れる
サラダに生野菜を加えたり、煮物に根菜を多く使ったり、調理の工夫で咀嚼を増やせます。
・噛みごたえのあるおやつ
ナッツやドライフルーツ、小魚は噛む回数を自然に増やし、栄養補給にもなります。
・水分を取りすぎない
飲み物で流し込む習慣は、咀嚼不足の原因になります。できるだけよく噛んで飲み込むことを意識しましょう。
まとめ
噛む力は、食べる楽しみだけでなく、口元の若々しさや全身の健康にも直結しています。
「あごが疲れやすい」「口元のたるみが気になる」そんなサインを感じたら、生活習慣を見直すことが大切です。
咀嚼力を取り戻すための秘訣は、毎日のセルフケア・食事の工夫・噛み癖の改善・定期検診の積み重ねにあります。
 あさぎ歯科医院では、患者さま一人ひとりに合わせた予防・ケアのご提案を行っています。お気軽にご相談ください。

